097.ねんりんピックの参加報告:シニアのスポーツイベント

ねんりんピック(全国健康福祉祭)は、厚生労働省主催・スポーツ庁共催で、毎年開催される60歳以上が対象のスポーツと文化のイベントです。今年は鳥取県で29競技が開催され、40万人が参加しました。私は川崎市のソフトテニスチームの一員として参加する機会をいただいたので、感想をお話します。

競技種目は、サッカー、テニス、水泳などの若い人と同じ競技もありますが、ゲートボール、太極拳、ペタンクなどのシニア向け競技、また、囲碁、将棋、健康マージャン、俳句、民謡などの文化系種目もあります。シニアでも安全に楽しめることと、男女混合種目が多いことが特徴です。

各競技に、47都道府県と20政令地方都市の代表チームが参加しました。試合は真剣ですが、交流の意味合いもあり、多くの人が楽しめるイベントでした。人生100年時代を迎え、このようなシニア向けのビジネス機会は増えていくと感じました。

096.スゴイ会社(4)ユニークなサービスと動画配信:三和交通

今回は、ドライバー不足やコスト高で経営が厳しいといわれるタクシー業界において、ユニークなサービスで成功している三和交通株式会社を紹介します。同社は、神奈川県と東京都西部を営業エリアとする、中堅規模のタクシー会社です。

現社長は、動画制作などの経験があり、SNSを活用する重要性に早い時期から気づいていました。公式アカウントでFacebook、Instagram、X(Twitter)などで発信を続け、さらにはYoutubeで動画配信も始めました。

基本的な社員教育はもちろん、観光案内、陣痛対応、達人ドライバー指名制度などの新しいサービス開発にも力を入れています。最近では、取締役の広報部長が自ら踊るYoutube番組がフォロワー30万人以上の大人気となっています。

095.スゴイ会社(3)週休3日の高級旅館:元湯陣屋

今回は、神奈川県・鶴巻温泉の旅館「元湯・陣屋」を紹介します。陣屋は老舗旅館ですが、2009年に現在の経営者である若夫婦が継いだときは、赤字経営で巨額の借金がありました。そこで若夫婦は、思い切って客室を改装し、1泊9800円から35000円の高級路線へ転換しました。

また、あらゆる仕事をデジタル化し、経営効率と顧客満足度の向上を実現しました。その過程で、従業員に長期的に働いてもらうために、休館日を設定しました。現在はなんと、火水木が休館の週休3日ですが、業績はとても好調です。

離職率が高い旅館ホテル業界において、陣屋は、「働き方改革の成功事例」として、厚生労働省のホームページや各メディアにとり上げられています。

094.スゴイ会社(2)年間休日140日:未来工業

今回は、「日本一休日が多い会社」と言われる岐阜県の超優良企業、未来工業株式会社を紹介します。未来工業は1965年に設立された東証プライム上場のメーカーで、主な製品は電気設備・給排水設備です。2023年度の連結売上440億円、従業員1250名です。

未来工業は、「日本一社員が幸せな会社」とも言われます。売上目標も営業ノルマもなし、残業は原則禁止、希望者は70歳定年といった特徴があります。年間休日が140日あり、年末年始は約20連休を全社でとります。さらに、5年ごとに全社員で、すべて会社持ちで海外旅行に行きます。

岐阜県の中堅メーカーになぜそれが可能なのか。社是は「常に考える」で、改善案をどんどん出すことを奨励しています。未来工業の経営には、多くのヒントがありそうです。

093.スゴイ会社(1)自由な働き方が選べる人事制度:サイボウズ

多忙すぎて離職率が高いといわれるIT業界において、働き方改革のお手本となっているスゴイ会社がサイボウズ株式会社です。サイボウズは1997年に設立され、2006年に東証1部に上場した成長企業です。グループウェア(キントーン)の開発・販売・運用で知られています。

同社も以前は離職率が高かったそうですが、2006年頃から柔軟に働ける人事制度を導入しました。現在は、「100人100通りの働き方が選択できる」までに人事制度が進化し、社員の満足度が上がり、業績も好調です。

社長の青野慶久さん自身も、育児休暇を3回取得しました。コロナ禍以前から、全社員がテレワークを実施していて、多様な働き方の社員が協力し合う企業風土が醸成されています。

092.セルフマネジメント(3)達成力強化のための目標管理

仕事の達成力を高めるには、適切な目標を設定する必要があります。今回は、目標設定のための「SMART」の法則を紹介します。これは、具体的な、数値化された、達成可能な、目標に関連した、期限がある、の5つの英単語の頭文字です。

計画作成は、「あるべき姿に到達するには、いつ何をすべきか」を逆算的に考える方が良いでしょう。その反対は、できそうなことを積み上げていく考え方です。積み上げ思考では、なかなか目標には届かないことが多いものです。

091.セルフマネジメント(2)時間管理のポイント

時間管理(タイムマネジメント)とは、「限られた時間の中で、行動を管理すること」です。タイムマネジメントを実践すると、仕事の成果とワークライフバランスを向上させられます。

まず、ムダな(やらなくてもよい)仕事を減らす「ECRSの原則」を紹介します。ECRSとは、排除、結合、交換、簡素化の頭文字です。

次に、仕事の優先順位を考えるための「重要度・緊急度」マトリクスを説明します。特に、「緊急ではないが、重要なこと」に意識的に時間を使う習慣をもつことが大切です。

090.セルフマネジメント(1)行動管理のポイント

セルフマネジメントとは、「自己管理」です。自らを管理(マネージ)することで、自身の状態を安定させ、効率的に仕事がこなせるようになります。

行動マネジメントの基本は、「続けるべきことを続ける」と「やめるべきことをやめる」です。今回は、人が行動を継続する仕組みを作る「ABCモデル」を紹介します。行動のきっかけとなる先行条件(A)をコントロールすることで、良い行動(B)を継続しやすくなり、良い結果(C)を得られます。

089.ヨーロッパに学ぶ(6)フィンランドの教育はなぜ世界一なのか

フィンランドは、デンマークとともに、世界幸福度調査でよく1位になる国です。国際学力調査(PISA)でも好成績で、教育も世界一と言われます。子どもの個性を尊重し、自律性を高める教育が特徴です。

国会議員の女性比率は5割近く、2019年には世界最年少34歳の女性首相(サンナ・マリンさん)が誕生し、話題になりました。マリン政権では、内閣の閣僚19人のうち、女性が12人でした。

性別や年齢に関わらず人生の選択を自由にできることと、自分らしく生きられる社会的寛容さが高いことが、日本との違いです。

088.ヨーロッパに学ぶ(5)デンマークはなぜ幸せな国なのか

デンマークはよく「世界一幸せな国」と言われます。社会保障や教育制度が充実し、貧困格差が小さいこと、一人当たりGDPが日本の2倍以上で生産効率が良いことなどが理由として挙げられます。

また、「ヒュッゲ」(居心地の良さ)という言葉で示される、日常の小さな幸せに人生の喜びを感じる文化があります。お互いのプライベートを尊重し、企業は年間5週間の休暇とフレックスタイムなどを提供しています。

一方、付加価値税(消費税)は25%、所得税は平均55%という高税率です。デンマーク人は、モノを買うことよりも、大切な人と時間を使うことが人生を豊かにすると考えているのです。