188.日本人の休暇を考える(2)ワーケーションのススメ

ワーケーションは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を合わせた造語です。観光地やリゾート地でリモートワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方です。①リゾート型、②二拠点居住型、③地域創生型の3つのタイプがあります。

「ワーケーションの聖地」といわれる和歌山県白浜町は、①リゾート型の好事例です。2015年に外資系IT企業がサテライトオフィス設立し、業務の成果が向上したという報告をしています。②の事例としては長野県の軽井沢や蓼科など、③の事例としては徳島県神山町が有名です。ワーケーションは、企業と地域の両方にとって、人材をひきつけるメリットがあるため、今後さらに広がっていくでしょう。

187.日本人の休暇を考える(1)有給休暇の現状

日本企業の有給休暇取得率は、2010年代前半には50%以下でしたが、2025年には67%まで改善しています。ただし業界によるばらつきがあり、インフラ系企業や製造業では70%以上ですが、宿泊・飲食サービス業や小売業は50%台にとどまっています。

一方、欧州では100%取得が一般的です。なぜ日本では有休を取得しにくいのでしょうか。周囲に迷惑とかけるという意識、仕事の属人化、長時間労働が美徳、などの理由が考えられます。お手本となる企業事例として、クボタとメルカリをご紹介します。

若い世代では、「単に給料が高い会社」ではなく、「人生を大切にできる会社」を選ぶ人が増加しています。有給休暇を取得しにくい会社は、良い人材を採用・維持できないことになります。

186.交渉・調整力を高める(3)実践的な交渉術

今回は、交渉・調整に関する基本知識について説明します。交渉においては、相手への依存度が大きいほど不利になります。そのため、BATNA(不調時対策案)と呼ばれる代替案を用意できると、強気に交渉できるようになります。

また、交渉でははじめの提案が重要になります。最初の提案をもとに、「返報原則(お互いにお返しする心理)」により、双方が譲っていくプロセスとなるためです。自分に有利な提案を最初に行うことを「アンカリング(錨を下すこと)戦術」と呼びます。

他にも、「選択的情報開示(ウソではないが、言葉を選ぶ)」「ローボーリング(はじめに低いボールを投げる)」「特別感(あなただけ、今だけ)」「ドア・イン・ザ・フェイス(一回目にわざと断らせて、2回目に本題を出す)」などの交渉術があります。

185.交渉・調整力を高める(2)問題の再焦点化を考える

今回は、対立を調整して解決するためのフレームワークを紹介します。例えば、夏の暑い日に外出から帰った社員は、冷房温度を下げたがります。一方、ずっと社内にいる内勤社員はそれだと寒すぎると感じます。どのように解決するでしょうか?

この場合、温度設定が低い・高いという、「直接の衝突点」で話していても、解決にはつながりません。まずお互いの「真のニーズを確認」し、「問題を再焦点化」して、それに対する「建設的なアイデア」を出して合意することが、必要なアプローチです。

このケースでは、外勤社員は「汗が引くまで涼しくしたい」、内勤社員は「風邪をひきたくない」が真のニーズです。問題を再焦点化すると、「外勤社員が汗を引くまで涼しくして、内勤社員が風邪をひかない方法を考える」ことになります。

184.交渉・調整力を高める(1)5つのパターンを知る

欧米では、意見や利害の対立を適切に解決する手法として、「コンフリクト・マネジメント」はビジネスパーソンの基本スキルです。これは社内の利害調整や、顧客やビジネスパートナーとの交渉に使える考え方です。また、家族や友人との意見調整にも有効です。

交渉・調整の解決策は、5つのパターンに分類されます。自分と相手がともに80点以上と感じる「協調(Win-Win)」を目指すのが最善です。しかし、すべての場面で協調による解決を行うのは現実的ではありません。

他の4つのパターンである、強制(Win-Lose)、服従(Lose-Win)、回避(Lose-Lose)、妥協(Lose-Lose)が適切なこともあります。今回は交渉の心構えと、この5つのパターンがそれぞれ適切・不適切な場合について考えます。

183.ピックルボールを知っていますか?

近年、「世界で最も成長しているスポーツ」と言われるピックルボールを紹介します。テニスと卓球を組み合わせたような競技で、小さなコートでパドルと呼ばれるラケットでプラスチックボールを打ち合います。初心者でもすぐにゲームを楽しめることが特徴です。

私は本年3月にマレーシアで実際にプレイする機会があり、7月に東京・立川で行われた国際大会を観戦しました。アメリカ発祥で、東南アジアでも急速に普及しています。日本のトッププレイヤーは、男子はソフトテニスのトップ選手だった船水雄太プロ、女子はテニスで伊達公子さんや杉山愛さんとペアだった藤原里華プロです。このスポーツの今後の展望について考えます。

182.新聞を読むメリット(2)新事業のタネを見つける

新聞には、新しい事業のヒントがたくさんあります。AIが発達すると、ヒトとしての発想力、課題発見力、企画力などがこれまで以上に大切になります。新聞を読むことで、これらの能力を高めることができます。

社会には「身近な困りごと」と「世の中の困りごと」があります。新聞を読むことで社会ニーズに気づき、事業アイデアを着想できます。アイデアを出すには生成AIの助けを借りてもよいですが、まず自分の頭で着想し、それを広げるために生成AIを使い、また自分で考えて絞り込み、さらによい提案にするためにAIの助けを借りるといったプロセスを経るとよいでしょう。

 

181.新聞を読むメリット(1)メディア・リテラシーを高める

最近、新聞発行部数が、ピーク時から激減しています。大手5紙では、電子版への移行がうまくいった日経新聞以外は、売上減少が加速しています。しかし、新聞はテレビやインターネット上の情報より、正確性、網羅性、俯瞰性、多様性に優れています。今回は、新聞を読むことでメディア・リテラシーを高めることのメリットを考えます。

メディア・リテラシーとは、メディアの記事やニュースに対し、「健全な懐疑心」を持つことです。この力が弱いと、誤情報・デマの拡散、SNSトラブル、詐欺被害、情報の偏りといったリスクが高まります。ネット情報に加え、複数の新聞を読むことで、この力を鍛えられます。

180.“手に職”の時代:ブルーカラー・ビリオネアとは

米国では、建設、設備工事、修理などの現場作業(ブルーカラー)で専門技能が高い人の収入が上がっています。事業をうまく拡大して、巨額の富を築く人も出てきているそうで、ブルーカラー・ビリオネア(億万長者)と言われます。

背景としては、現場仕事の深刻な人材不足、特に高度技能者の稀少化があります。日本でもホワイトカラー(事務職)の仕事はAIに代替され、2030年代には430万人の事務職が余り、技能職は大幅に不足するとの試算もあります。事務系ホワイトカラーになるよりも、手に職をつける方が、高収入が見込める時代になるのかもしれません。稼げる仕事領域としては、建設・設備、製造、物流、医療、植栽管理などが挙げられます。

179.多文化社会で働く(2)国際的な仕事をするには

日本で国際的な仕事をするには、5つの領域があります。1つめは、海外展開している日本企業の国際業務です。営業・マーケティング、輸出入、海外拠点の支援業務などがあります。海外売上比率が高い業界としては、自動車、エレクトロニクス、機械などのメーカーや商社などが挙げられます。

2つめは、外資系企業の日本法人です。外資系企業は日本国内向けの営業・マーケティングが中心なので、海外勤務の機会は、実は多くはありません。3つめは、留学生や外国人労働者を支援する仕事です。日本語教師、留学生支援、外国人向け人材サービス業などが挙げられます。

4つめは、公的機関です。大使館、国際公務員、国際的なNGOなどが代表的です。最後の5つめは、インバウンド観光客向けの仕事です。旅行・宿泊・観光施設・通訳ガイドなどが考えられます。