078.日本の雇用システムの変化(4)転勤に関する人事制度変更の事例

日経新聞が引用している調査によると、大学生が行きたくない会社の2位が「転勤が多い会社」で、10年前と比較して、急上昇しています。男女が働き続けることが当たり前の時代に、どちらかが転勤になると、多くの場合、女性がキャリアを分断されるからでしょう。日本では毎年2万人の女性が夫の転勤により失職していると言われます。実に大きな社会的損失です。

そのため、転勤制度を変更する企業が増えています。今回はいくつかの先進的な企業の事例を紹介します。まずAIG損保です。AIG損保は、2018年に原則として転勤制度を廃止し、家族がいる社員が安心して働き続けられるようにしました。採用の競争力も上がったそうです。

明治安田生命やみずほフィナンシャルグループは、転勤できる社員には手厚い手当で報いる制度を導入しました。パナソニックやソニーは、転勤しなくても昇進・昇格できる仕組みを導入しています。