169.GWに一人合宿をしよう(3)変幻自在のプロティアンキャリアとは

現代のキャリアは、組織によってではなく、個人によって形成されます。今回は、ダグラス・ホール先生が2002年に提唱し、日本では法政大学の田中研之輔教授が広めている「プロティアンキャリア」についてご紹介します。

これまでのキャリアは、組織が主体で、組織内でのコミットメントや昇進を中心に論じられてきました。プロティアンキャリアは、個人が主体で、個人の仕事への満足感や心理的成功がゴールです。組織から自立し、社会や自分の変化に合わせて、柔軟に変化し続けることが人生を豊かにするという考え方です。そのためには、ビジネス資本、社会関係資本、経済資本の3つについて、棚卸しをして、5年後、10年後に向けて、どうしていきたいかを考える必要があります。

168.GWに一人合宿をしよう(2)偶然のチャンスをとらえるには

キャリアは偶然の出会いによって、大きく変わります。皆さんもこれまでを振り返ると、先生、友人、先輩、上司などとの「良い出会い」が、自分を良い方向に導いてくれたことを思い出すかもしれません。今回は、偶然のチャンスを取り込み、キャリアをよいものにしていく心構えとワークについて、ご紹介します。

スタンフォード大学のJ・クランボルツ先生は、1999年に「計画的偶発性理論」を発表しました。現代のキャリアは、偶然をうまく取り込むことが大切で、そのためには、「好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心」の5つが必要です。

これまでの人生で印象に残る偶然の出来事を思い出し、その出来事の前後の自分の行動を思い出してみましょう。また今後、どんな人と出会いたいか、そのためにはどんな方法がありそうかを考えてみましょう。

167.GWに一人合宿をしよう(1)キャリアアンカーを考える

もうすぐGWを迎えます。この機会に、少しまとまった時間をとり、自分のキャリアを振り返り、将来のキャリアを考える「一人合宿」をお勧めします。自宅やカフェでもよいですが、できれば1泊2日くらいで海か山に行ってみるのもよいと思います。今回から3回に分けて、キャリアを考えるフレームワークをご紹介します。

自分のキャリアを振り返るには、多少の準備が必要です。例えば、過去の手帳、アルバム、もらった名刺、自分のSNSなどが参考になります。そして、過去のモチベーションの変化を「ライフラインチャート」でまとめてみることで、多くのヒントを得られます。また、自分の「キャリアアンカー」が年齢の変化によって重みが変わっていくこともあるかもしれません。

166.大学はどうなるべきか(2)Jリーグに学ぶには?

日本の大学は秋入学に移行する方がよいが、なかなか難しい現状があります。一方、サッカーJリーグは、長年の課題であった秋春制に移行するため、2026年は変則的な半年のリーグを開催しています。今回は、どうしてJリーグがこの変革を可能にしたのかを考えます。

サッカーの欧州リーグは、8月後半に始まり、6月に終わります。日本のJリーグは、2月から12月に開催されるため、選手や監督・コーチの移籍の難しさは以前から問題でした。しかし、サッカーは、「国際競争力を高めて、世界一を目指す」という目標を共有することで、多くの関係者の合意を得ることに成功しました。

大学の場合、関係者が非常に多いため、サッカーよりはるかに調整がたいへんですが、日本の科学技術力を高めるためには、何らかの制度変更が必要だと思います。

165.大学はどうなるべきか(1)なぜ4月に始まるのか?

日本の学校は4月に始まります。これは世界では珍しいシステムです。日本以外のほとんどの国では、小学校から大学まで、秋に始まるのが普通です。私は東京大学で、海外に行きたい日本人学生や、日本で就職したい留学生の就職支援をしています。今回は、4月始まりの学校制度の課題についてまとめてみます。

日本の大学は、世界におけるランキング(英国のTHE)で、100位以内に入っているのは、東大と京大の2校しかありません。中国は10校近く、韓国は4校、他にもシンガポール、インドなどのアジアの大学が100以内に多く入り、順位を上げています。大学ランキングは、その国の科学技術の人材育成レベルにつながります。4月入学の制度は、海外との人的交流や共同研究などに不利になっているのです。