177.異文化理解力を高める(4)英語力と異文化適応のU字カーブ

異文化対応では、多くの場合、英語でのコミュニケーション力が必要です。英語力の指標としては、TOEICが広く使われています。例えば、大手企業が新卒大学生に期待するのはTOEIC600点です。これは足切り点なので、海外関連の仕事をしたい人は700点以上が必要です。若いうちに英語力を身につけられると、キャリアの選択肢を広げられます。

また、新しい文化環境に入った人の心理状態は、①ハネムーン期、②カルチャーショック期、③回復期、④安定期のように変化すると言われます。もし職場で、カルチャーショックを受けていそうな外国人がいたら、あなたはどのように対応するでしょうか。

176.異文化理解力を高める(3)異文化適応能力(CQ)とは

異文化に適応する能力をCultural Intelligence Quotient(社会的知能指数、CQ)と言います。メタ認知CQ、認知CQ、動機CQ、行動CQの4つの要素から構成されます。CQは、知識だけでなく、意欲や行動まで含む総合的な能力で、経験と振り返りによって高められる点が重要です。3つのケースワークを通じて、CQを理解していきます。

また、異なる文化による違いを、単に妥協して調整するのではなく、違いを活かして新しい価値を生み出すことを「異文化シナジー(相乗効果)」と言います。多様性に富んだチームは、同質的なチームよりも生産性が向上するという研究が多くあります。仕事においては、多様性を活かし、より良い成果を目指したいものです。

175.異文化理解力を高める(2)日本はハイコンテクスト文化

文化には、「見える文化」と「見えない文化」があります。氷山の海面上と海面下のイメージで、見えない部分の方が大きいものです。日本の例では、富士山、寿司、着物、アニメなどが見える文化です。社会マナー、本音と建前、接客の精神などが見えない文化です。相手の文化には見えない部分があることを理解し、見える部分だけで判断しないことが大切です。

また、日本やアジアの国は「ハイコンテクスト(高文脈)文化」と言われ、はっきりと言語化することが少なく、お互いの空気を読む文化です。その反対に、アメリカ、オーストラリアなどは「ローコンテクスト(低文脈)文化」と言われ、言葉で伝える文化です。多文化間では、明確に言語化する「ローコンテクスト」を心がける必要があります。

174.異文化理解力を高める(1)内なる国際化の進展

6月はグローバル化に対応するための「異文化理解力」について考えます。近年、日本国内でも、外国人との接点が急増しています。あらゆる仕事において、異文化を理解した上で業務を進めるスキルを高める必要があります。

今回は日本国内の国際化の進展を確認します。留学生は、過去10年で約2倍の33万人になりました。外国人労働者は同時期に2倍以上増え、230万人です。訪日外国人観光客はなんと4000万人を突破しました。いずれも、今後さらに増加の見込みです。

特に観光では、世界の観光魅力度調査で、日本が常に上位になっています。自然が豊かで、食事がおいしく、安全であるといった日本の良さが認められています。あなたは「日本はどういう国か」「日本人の特徴は何か」と聞かれたとき、どのように答えるでしょうか。