083.ビジネスマナーの基本(2)相手と早く信頼関係を作るには

今回はビジネスにおいて、「相手と信頼関係を構築するコツ」についてご紹介します。ラポール(rapport)形成スキルと言います。ラポールとは、フランス語で「心の架け橋をかける」という概念です。これは、初対面の相手と共通の話題を口に出し、共感することで心理的距離を縮めるスキルです。

初対面での話題の探し方としては、銀座のバーのママの教え「木戸に立ちかけし衣食住」という語呂合わせがあります。気候(天気)、道楽(趣味)、ニュース、旅、知人、家族、健康、仕事、衣料(ファッション)、食べ物、住まいの頭文字です。

会う相手がわかっているときは事前準備をして、一度聞いたことはメモしておくことも大切です。相手が間違ったことを話したときも、正面から否定せず、部分的に共感して聴く姿勢になるとラポールが成立します。

082.ビジネスマナーの基本(1)初対面で良い印象を与えるには

就職の面接でもビジネスの場でも、初対面の相手に良い印象をもってもらうことはとても大切です。有名な「メラビアンの法則」という心理学実験では、初対面のコミュニケーションの重要度は、「表情、しぐさなどの視覚情報」が55%、「声のトーン、話し方などの聴覚情報」が38%、「話の内容などの言語情報」が7%と言われます。これが「人は見た目が9割」と言われる理由です。

第一印象を構成する5つの要素は、自然な笑顔、さわやかなあいさつ、業界に合った身だしなみ、適切な言葉づかい、信頼してもらえそうな雰囲気・態度です。マナーは他者評価なので、相手からみてどうなのかを常に意識する必要があります。

081.オリンピック選手のキャリア(3)ロールモデルインタビュー-2

今回もスポーツ庁管轄スポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)のホームページから、オリンピック・パラリンピック選手4人のロールモデルをご紹介します。
1人目は、競泳の井本直歩子さんです。井本さんは現在、ユニセフ(国連児童基金)の職員として活躍しています。10代の頃、水泳で海外遠征をしたとき、選手間の貧富の差を感じ、将来は貧しい人のために働きたいと思ったそうです。高校の頃から勉強も頑張り、引退後は米国に留学し、国際機関職員への道を拓きました。

他に、フェンシングの長良将司さん(沼津市をフェンシングで活性化)、セーリングの上野太郎さん(資金集めのスキルを活かし、商社に再就職)、パラスキーの大日方邦子さん(NHK、電通でパラスポーツの魅力を発信)のキャリアヒストリーと若い方へのアドバイスをお伝えします。

080.オリンピック選手のキャリア(2)ロールモデルインタビュー-1

今回はスポーツ庁管轄スポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)のホームページから、オリンピック・パラリンピック選手4人のロールモデルをご紹介します。

 

はじめに、陸上ハンマー投げの室伏広治さんです。室伏さんは現在、大学教授とスポーツ庁長官を兼務しています。室伏選手は現役のときから大学院でスポーツバイオメカニクスを研究し、博士号を取得しました。この研究は競技にもプラスになり、引退後のキャリア形成にもつながりました。

 

他に、女子バレーボールの大村加奈子さん(特別免許状で高校体育の先生)、ソフトボールの乾絵美さん(プロ野球オリックスのスカウト)、パラ自転車の藤田征樹さん(機械工学系エンジニア)のキャリアヒストリーと若い方へのアドバイスをお伝えします。

079.オリンピック選手のキャリア(1)女性アスリートの参加

パリ五輪が始まりました。五輪にはじめて女性が参加したのは1900年のパリ大会からで、当時は全体の2%でした。その後、女子選手比率は増加し続け、今回ついに50%になり、選手村に初めて託児所ができました。

私はスポーツ庁管轄のアスリートキャリア支援コーディネーターの認定を受けており、女性に限らず、スポーツ選手のキャリア形成に関心があります。特に近年では、現役アスリートの頃から次のキャリアの準備を並行して行う「デュアルキャリア」が推奨されています。

日本の女子選手も「田村で金、谷で金、ママでも金」で有名になった柔道の谷亮子選手をはじめとして、ママアスリートが増えています。今回は、女子バレーボールの岩崎こよみ選手、パラ陸上の土田和香子選手などの活躍に期待しています。

078.日本の雇用システムの変化(4)転勤に関する人事制度変更の事例

日経新聞が引用している調査によると、大学生が行きたくない会社の2位が「転勤が多い会社」で、10年前と比較して、急上昇しています。男女が働き続けることが当たり前の時代に、どちらかが転勤になると、多くの場合、女性がキャリアを分断されるからでしょう。日本では毎年2万人の女性が夫の転勤により失職していると言われます。実に大きな社会的損失です。

そのため、転勤制度を変更する企業が増えています。今回はいくつかの先進的な企業の事例を紹介します。まずAIG損保です。AIG損保は、2018年に原則として転勤制度を廃止し、家族がいる社員が安心して働き続けられるようにしました。採用の競争力も上がったそうです。

明治安田生命やみずほフィナンシャルグループは、転勤できる社員には手厚い手当で報いる制度を導入しました。パナソニックやソニーは、転勤しなくても昇進・昇格できる仕組みを導入しています。

077.日本の雇用システムの変化(3)転勤したくない社員の増加

マイナビの学生アンケートでは、全国転勤を受け入れる人が約30%、エリア限定で転勤も受け入れる人が約30%、転勤がある企業はできるだけ就職したくない人が約40%です。人手不足の時代、従来のままの雇用システムでは、若手人材の採用は難しくなります。

企業は、転勤により人材育成をするといいます。これは新卒入社の男性だけが長時間働いていた時代には、機能していたのかもしれません。しかし現在は違います。個人や家族にとって、転勤はデメリットの方が大きいことに多くの人が気づいています。

ヨーロッパでは、通常の家族生活を送る権利を保障した欧州人権条約があり、本人の承諾なしに転勤させることは人権侵害になります。大学生の就職支援をしていると、現状の転勤制度を維持しようとする日本企業は、採用競争で明らかに不利になると感じます。

076.日本の雇用システムの変化(2)なぜジョブ型に移行すべきなのか

私は、ジョブ型雇用の外資系会社に長く勤務しました。その経験から、日本企業もジョブ型に移行しないと国際競争力が維持できないと考えています。

まず、優秀な専門職の採用の視点です。AIやデータ分析などの高度な専門人材は世界中で取り合いです。日本人でも、最も優秀な層は、日本企業には行きません。配属ガチャを嫌うためです。また、若手社員の給与が年功序列で低く抑えられている企業は、人気がありません。

優秀な社員を中途で採用しようとしても、メンバーシップ型だと年金や退職金で損をすることになります。また、夫婦で働き続けたい若手は、勤務地を選べない企業(転勤がある企業)は、選択肢から除外します。いずれも、ジョブ型を導入すれば解決する問題です。

075.日本の雇用システムの変化(1)メンバーシップ型からジョブ型へ

マイナビの調査では、9割近い学生が「入社前に配属先を知りたい」と答えています。いわゆる「配属ガチャ」を嫌うためです。私の実感でも、希望する勤務地や職種に配属されなければ、内定を断り、別の会社をさがす学生が増えています。

日本では、配属先や職務内容を決めず、新卒学生を一括採用する「メンバーシップ型雇用」が一般的です。しかし、社会の成熟化、グローバル化の進展などにより、この日本の雇用システムの弊害が指摘されています。一方、日本以外の国では、職務内容が明確な「ジョブ型雇用」が一般的です。

ジョブ型雇用は、多様な専門性のある人材(中途入社、女性、外国人、シニアなど)が活躍するために適しています。今回はジョブ型雇用の特徴とメリット、デメリットについてお話します。

074.アンガーマネジメント:怒りをコントロールしよう!

アンガーマネジメントとは、「怒りの感情と上手につきあい、怒りをコントロールする技術」です。ストレスの多い現代では、自分の心を制御するのは大切なことです。皆さんも試してみてください。

方法としては、衝動のコントロール、思考のコントロール、行動のコントロールの3つがあります。まず衝動のコントロールでは、「イライラしたら6秒待つ」というテクニックが有効です。怒りのピークは6秒で、それを過ぎると理性的になれるそうです。

2つめの思考のコントロールでは、「まあ許せるゾーンを広げていく」テクニックが知られています。3つめの行動のコントロールでは、自分が変えられないことは気にせず、「自分でできることに注力する」テクニックを身につけられるとよいでしょう。