148.ミドル・シニアのキャリアデザイン(4) 転機に対処するには

弊著『40歳からの実践的キャリアデザイン』からの抜粋の4回目です。今回は、中高年が転機に対処するための方法論をお伝えします。著名なキャリア研究者であるナンシー・シュロスバーグは、「人生は転機の連続」ととらえ、転機を乗り越えるための4つのSを提唱しました。

4Sとは、状況(Situation)、自己(Self)、支援(Support)、戦略(Strategies)です。転機に際しては、まず状況を客観的に把握し、自己の強み・価値観などを理解し、家族や友人の支援を受けることで心理的安定を保ち、転機に対処する戦略を練る、という意味です。この4Sは、ミドル・シニアのキャリア再設計にはとても有効です。

147.ミドル・シニアのキャリアデザイン(3) キャリア再構築の心構え

今回は、中高年のキャリアを再構築するための精神的基盤(メンタルファウンデーション)とモチベーションについてお話します。まず、健康、家族、経済の3Kが大切です。次に、自己効力感を高める必要があります。

自己効力感とは、「自分はできる」という信念で、挑戦意欲、行動力の源泉です。中高年になると、役職喪失、技術変化、健康不安などにより自己効力感が低下しやすいため、意識的な維持が重要です。また、ブルームの期待理論に基づき、外的報酬よりも自分の内的報酬を確認することが、この時期のキャリアデザインでは核になります。

146.ミドル・シニアのキャリアデザイン(2) エンプロイアビリティを高めるには

雇用される力をエンプロイアビリティと呼びます。中高年になり、若い頃に獲得したスキルが陳腐化すると、エンプロイアビリティが低下していきます。時代にあったスキルを意識的に身につけないと、「社外でも通用する力=市場価値」は維持できません。

そのためにはまず、キャリアアンカー(キャリアの軸)を再設計し、組織に依存するのではない人生観、すなわち「キャリア自律」の基盤をつくる必要があります。また、専門性の再定義、リスキリング(学び直し)、社外ネットワークの構築、パラレルキャリア(副業、地域活動など)の実践、学び続ける姿勢、の5点が大切です。

145.ミドル・シニアのキャリアデザイン(1) 中年の危機を乗り越えるには

今月は弊著『40歳からの実践的キャリアデザイン』(中央経済社)からの抜粋をお話します。著名な心理学者のユングは、40-45歳を「人生の正午」と捉え、その頃に「中年の危機」が訪れると警鐘を鳴らしました。仕事の悩み、体力低下、家庭の変化などが起こりがちで、「自分の人生はこのままでよいのだろうか」と落ち込む人が多いのです。

中年の危機を乗り越えるには、「自分らしさとは何か」を考え、社会的地位・収入などの外的キャリアよりも、充実感や満足感などの内的キャリアを追求する必要があります。自分は人生の午後(後半)に「どうありたいか」「どう生きていきたいか」を考え、真の自己を確立することが重要なのです。