141.採用のトレンド(2)リファーラル採用

今回は「リファーラル採用」、自社社員から、友人や知人を紹介してもらう手法です。リファーラルは「推薦、紹介」の意味です。規模が小さな企業では知人のツテで採用するのは、もともと一般的ですが、最近は紹介者に対し、金銭などのインセンティブを支払う制度をつくる企業が増えています。

私自身も外資系医療系企業のとき(約20年前)、この制度があり、知人を自社に紹介して20万円をもらったことがあります。企業としては採用コストが抑えられ、ミスマッチが減るメリットがあります。

今後、リファーラル採用は大幅に増加する見込みのため、企業は適切なインセンティブと採用プロセスを構築する必要があります。個人は自分のネットワークづくりが重要になります。

140.採用のトレンド(1)Uターン、Iターン

10月は人手不足時代に対応する採用トレンドについて、5回にわけてお送りします。今回は地方出身者が地元に戻る「Uターン」と都市部の人が地方で働く「Iターン」です。地方企業では、慢性的な人材不足から、UIターン人材の採用を積極化しています。

UターンやIターンに興味がある人には、各自治体の就職支援サイトへの登録をお勧めします。県や地域ごとのUIターンフェアやオンライン説明会などのイベントが探せます。コロナ禍以降はオンライン面接が主流になり、UIターン就転職が容易になりました。

企業側は、都市部のUIターン希望者に届く情報発信を工夫し、オンラインを主体の柔軟な選考プロセスを準備する必要があります。

139.ヨーロッパに学ぶ(9)ベルギーのバランス感覚

ベルギーは西欧の中心に位置し、歴史的にドイツ・フランス・英国という大国の間で、バランスをとることが宿命でした。現在は首都ブリュッセルにEU本部があり、ヨーロッパの中心的な機能をもっています。

EU本部では、加盟24カ国の言葉で、「民主主義の信念」を掲げ、多様性、気候変動、失業問題、ウクライナ問題へのメッセージを強く打ち出していました。世界のパワーバランスが複雑化する中で、欧州はバランスをとる役割で、その中心がベルギーであることを再認識しました。

138.ヨーロッパに学ぶ(8)フランス人はなぜ幸せに暮らせるのか

フランスは若者の失業率が20%近い国ですが、多くのフランス人は幸せそうに暮らしています。今回は、フランス人の価値観やキャリア意識を参考に、幸せに暮らすためのポイントを考えます。

フランス人の価値観で特徴的なことは、まず「労働時間とバカンス」についてです。日本人は「働くために休む」という仕事中心の価値観ですが、フランス人は「人生を楽しむために働く」という意識が強く、週35時間労働や5週間以上の有給休暇が保証されています。

また、フランス人は他人と比較するのではなく、「自分らしく生きること」を幸せに感じる価値観が根付いています。「完璧」である必要はなく、「ほどほどで良い」と考える柔軟性も、心のゆとりをもたらします。

137.ヨーロッパに学ぶ(7)フランスの観光産業の強み

フランスは観光産業の先進国です。年間1億人の外国人観光客が訪れ、GDPの8%を観光業で稼いでいます(日本は2%)。日本でも観光産業は成長ドライバーの1つです。フランスの取り組みが参考になる点も多そうです。

久しぶりにパリを訪問したところ、24年のパリ五輪に向けて、道路・メトロ・トイレなどのインフラが整備されていました。以前は道ばたに、犬のフンがよく落ちていたのですが、罰金を厳しくしたそうで、大幅に減っていました。ホテルにエアコンも普及してきました。

外国人(お金持ち)向けの価格設定、事前予約の徹底、パリ以外の都市への誘導、地方空港の整備など、は、日本の観光業の参考になりそうです

136.アスリートの個性の伸ばし方:ゴルフ・山下美夢有とテニス・伊藤あおい」

世界で活躍するアスリートは、どのようにその個性を開花させたのでしょうか。今回は、8月の全英女子オープンゴルフで優勝した山下美夢有プロと、女子テニスで世界ランキング82位(日本人で2番目)に急上昇の伊藤あおいプロについてご紹介します。

ゴルフの山下プロは、150cmと小柄で飛距離が出ないため、海外では通用しないと思われていました。しかし今年から海外ツアーに参戦し、ランキング6位と大成功しています。テニスの伊藤プロは、自称「へにょへにょテニス」で、スライスを多用する独特のスタイルです。実際に世界ツアーに参戦すると、戦略性とメンタルの強さで評価されています。

面白いのは、2人とも、コーチはお父さんで、ともにそれぞれの競技では素人ということです。山下プロのお父さんは精密な分析力で娘を支えています。伊藤プロのお父さんは、元検事とのことで、戦略的思考で、娘の良さを引き出しています。キャリア開発では「強みを活かし、他人と違ってよい」のです。

135.シニア世代の働き方(4)将来を考える

今回は、シニア世代が気になる「お金と健康」について考えます。お金については、投資リテラシーを高めることと、支出を見直すことが必要だと言われます。

私は投資の専門家ではありませんが、確定拠出年金に20年加入したことと、毎月定額の投資信託を継続していることは、よかったと思っています。支出については、ライフスタイル次第ですが、クルマをもたない人が増えています。また、生命保険や損害保険を見直すと安くできることも多いようです。

健康管理については、運動や食事の習慣に加えて、毎年の健康診断(人間ドック)が大切だと思います。人間ドック以外に、数年ごとに、がん専門検診や脳ドックに行くと、安心できるのではないでしょうか。

134.シニア世代の働き方(3)活躍するためのポイント

シニア社員には、過去の経験に固執する、柔軟性に欠ける、事務的な仕事を自分でやらない、などの理由で、若手・ミドル社員に疎まれる人もいます。今回は、そうならないためのポイントをお伝えします。

法政大学の石山恒貴教授は、パーソル総合研究所との共同研究で、シニア世代が活躍する5つの行動特性を提示しました。まずやってみる(Proactive)、仕事を意味づける(Explore)、年下とうまくやる(Diversity)、居場所をつくる(Associate)、学びを活かす(Learn)の5つです。石山先生は、頭文字をとって「PEDAL」と呼んでいます。

133.シニア世代の働き方(2)キャリア自律のために

定年後は、同じ会社に再雇用される以外にも、様々な選択肢があります。大企業の管理職から、ディズニーランドのキャストや霊園の管理人になる人もいます。変なプライドを捨て、「キャリア自律」の意識をもてれば、可能性が広がります。

『ライフシフト』のリンダ・グラットン教授は、自分の「無形資産」の重要性を語っています。無形資産とは、生産性資産(スキル、知識、仕事経験)、活力資産(健康、友人や家族との良好な関係)、変身資産(変化に適応する力)の3つです。夏休みに、1人でゆっくりと自分の資産を棚卸しする機会をもつのはいかがでしょうか。

132.シニア世代の働き方(1)何歳まで働きたいですか?

8月はシニア世代のキャリアについて考えます。私が勤務していた化学メーカーでは、90年代に、夫婦同伴の「45歳研修」がありました。その会社は、45歳以降はあまり昇給が見込めないので、夫婦で今後の生活やマネープランをよく相談してください、という主旨でした。当時30代だった私は、同社の将来性の低さにガッカリした覚えがあります。

パーソル総合研究所の調査では、70歳以降も働きたい人の割合は、50代では25%ですが、60代では41%に増加するそうです。実際に60代になってみると、意外に元気でまだまだ働きたいと思うのでしょうか。シニア社員が働き続けるには、変化適応力(トランジション・レディネス)が大切です。